『話の話』の話2016/12/12 14:08

ユーリー・ノルシュテイン監督のアニメがレストレーションされ、公開された。http://www.imagica-bs.com/norshteyn/
そこで『話の話』の話 アニメーターの旅をご紹介させていただこう。

『話の話』の話
 ユーリー・ノルシュテイン
クレア・キッソン 著 / 小原信利 訳 / ユーリー・ノルシュテイン 跋
四六判上製240頁 3,000円(税別)
ISBN978-4-89642-187-3 C0074


1979年、世界はかつてない
30分もののアニメーションを目にする――
仔狼、詩人、若い男女、列車、リンゴ……
戦後、ノルシュテインが子供時代を過ごした
マーリナ・ローシャの思い出が流れ込む
映像が記憶そのものであるかの『話の話』

ノルシュテインの人生を辿ることで
難解とされる映像に記憶の断片を探り当て
映画完成までの当局との争いのドラマを見る
本格的論考、アニメーターの旅

「廊下の端には、通りにでるドア――その向こうには永遠の幸せ、明かり、話ができる猫、砂糖をまぶしたパンがあるように思えた……」(ユーリー・ノルシュテイン)

Interface2011/02/12 00:32

Stephen Bury著
Bantam Books刊
1995年6月(Paperback)、ハードカバーは1994年5月
定価$6.50
632ページ
ISBN0-553-57240-7


Cobwebと同じ、Stephen Buryつまり、Neal Stephensonと、おじのJ. Frederic George、二人で書いたミステリー。

大統領候補の知事コザーノが、実は頭にチップを埋め込まれた巨大な組織の操り人形、という設定。

知事旧知のメル、知事の娘の神経科医が、脳外科手術研究センター、バイオチップ、メディアをあやつるネットワークと戦います。

大統領選挙キャンペーンなるもので、どれほどイメージ操作が行われているかを想像するのには良いでしょうが、Neal StephensonによるDiamond Ageのようなものを期待すると、あてはずれになるかも。同じ共作でも、Cobwebの方が読ませます。amazon.comに読者の酷評がありました。「Neal Stephensonが協力した小説とは思われない、協力した部分があるとすれば、それはページ番号だ。つまらない本がいつおわるかと、ページ番号ばかり読んでいた。」というのですが、一部うなずけるような気もします。
選挙民、テレビ番組のレベルの低さの辛辣な指摘、あるいはHDTVになると高精細な画面にあう政治家が登場するだろうという話など、小説であるのを忘れて読んでしまいます。

シュワルツネッガーのカリフォルニア知事就任記者会見の時にも、本書を思い出しました。物理的な「手術」など施さずとも、テレビ写りが良いだけで、はじめからロボットそのもの、という政治家が登場するのを、この本は予告していたのでしょうか?東京も大阪も?子は親の背中を見て育ち、日本はアメリカの背中をみて育つのでしょう。

民主党のハンサム・美人政治家と、彼・彼女のアメリカのロボットの様な行動・発言、まさに本書の予言通りのよう。

テレビを見ながら、昔に(丁度12年前)読んだこの本を思い出したわけです。文章はwebの記事の大半を流用しています。読み直したいと思うのですが、12年前の本、見つかりません。通販でアメリカから買おうとしても、なぜか絶版?のようです。

Comic 19842010/08/04 14:44

Comic 1984の表紙
Comic 1984という本が刊行されていた。1Q84のように売れているのだろか?

以下は、表紙、帯の文句

ディストピア・ノベル
20世紀暗黒近未来小説の傑作
原作 ジョージ・オーウェル
編 イングソック漫画省
脚本 森晶麿 漫画大岡智子
あのベストセラー『1Q84』は
ここに繋がる?
組織、洗脳、破壊の先に垣間見えた自由とは?
「史上最高の文学100選」に選ばれた過ぎ去った近未来の物語

定価:本体1OOO円(税別) PHP研究所


1950年代に起きた核戦争後の世界は3つの大国(オセアニア、ユーラシア、イースタシア)が三つ巴の戦争を続けていた。物語の主人公ウィンストン・スミスが住むオセアニアは「ビック・ブラザー」と呼ばれる英雄的指導者を頂点とした社会主義国家である。そこに住む人々は思想、言語、家族、食料など、あらゆる日常生活に統制が加えられ双方向性のテレビ「テレスクリーン」で屋内・屋外ほとんどを常に監視されていた。ウィンストンはある日より国家から「思想犯罪」として禁止されている日記をつける行為を始める……

1998年、ランダム・ハウス、モダン・ライブラリーが選んだ「英語で書かれた20世紀の小説ベスト100」、2002年、ノルウェイ・ブック・クラブ発表の「史上最高の文学100選」に選出された20世紀暗黒近未来小説の傑作をコミック化!!!


2010年4月30日刊

「ロスチャイルドが世界政府のビッグブラザーになる」 真面目な「1984年」論2010/05/28 13:59

ロスチャイルドが世界政府のビッグブラザーになる」 表紙
『1Q84』という本の三冊目がでたが、これも先の二巻同様、大ヒットしているらしい。
一方で、その題名をつけるにあたって、考えていたであろう本、ジョージ・オーウェルの『1984年』も、それにつられて、大ヒットしている、という話しは聞いていない。
『1Q84』は読んでいない。一方『1984年』、非常に陰惨ではあるが、まるで現代のことを、予言した本のようだとずっと思っていた。
同じジョージ・オーウェルの本でも『動物農場』については、西川伸一教授による「オーウェル『動物農場』の政治経済学」ロゴス刊や、川端康雄教授による「動物農場」ことば・政治・歌」平凡社刊という、素晴らしい書籍がある。

『1984年』を扱った真面目な本が出るのを、首をながくして待っていた。
そして、ようやく菊川征司著「ロスチャイルドが世界政府のビッグブラザーになる」という本を見つけた。5次元文庫、徳間書店 2010/3刊。価格648円+税、『1Q84』より、はるかに経済的だ。

つまらない感想ではなく、本書の宣伝・要約文を列記しよう。帯・表紙カバーの折り返し・裏表紙の文章の写しだ。

帯には下記の文章がある。

国際金融資本家の最終計画-
全地球の金融属国化、ワンワールド、監視社会オーウェル『1984年』と村上春樹『1Q84』を踏まえた恐ろしき未来社会の超実態

「村上春樹『1Q84』を踏まえた」というが、実際には『1Q84』よりも、オーウェル『1984年』の内容と、現代世界、アメリカ、ソ連、中国、そして日本、対テロ戦争等の実態を考える記述の方が圧倒的に多い。『1Q84』については34-43ぺージで触れている。

読むにつれ、長いこと現代社会まるで『1984年』のようだと思っていたのは、被害妄想ではなかったと思えてくる。

表紙カバーの折り返しには下記文章がある。

鳩山由紀夫首相を支援していたのはビルダーバーグ。
さらに小沢金銭問題の背後には、
アメリカのビルダーバーグへの抵抗があった。
ワクチン接種は現代の〝踏み絵〝、
反政府分子を閉じこめる収容所もすでに完成。
双方向を謳った「地デジ」は、オーウェルが予見した監視装置テレスクリーン″に代用可能。
「地域経済の自由化」→「地域内の統一通貨」
→「連合国家」→「世界政府」
見せかけの言葉の裏にある、全体主義国家への恐ろしい狙い。


裏表紙には下記文章がある。

すでに世界政府への段取りは済んでいる!?オーウエルが警鐘を鳴らした全体主義国家が、地球規模で静かに生まれつつある。性欲まで管理される恐怖社会はすぐそこに。「階級社会は貧困と無知の上に成り立つ」とオーウエルは喝破した。自作自演の事件で恐怖を与え、不安を利用して民衆をコントロールするのは常套手段。政府とマスコミの巧妙な洗脳に騙されるな。世界政府の超管理社会を完成させないための必須サバイバルガイド。

30ページでは、そもそもジブリの宮崎監督がアニメ『動物農場』を大いに評価しており、、そのおかげで三鷹の森ジブリ美術館ライブラリーとして字幕付きで日本で公開されたことが書かれている。

「あとがき」284ページの記述には諸手をあげて賛成。

引用始め

このまま7月の参議院選挙で勝とうものなら、日本は一党独裁の全体主義国家の道をひたすら歩んでいくのは間違いないと言わざるを得ません。
小沢が中枢にいる限り、民主党に政権を任せるのは非常に危険です。

引用終わり

ゾッとする事実が羅列されているため、読んでいて決して楽しくはない。それでも『1Q84』ではなく、オーウェルの『1984年』を読まれる際には、頭の体操用として、是非横に置いておかれるよう、おすすめしたい本だ。

ただし「オーウェル『動物農場』の政治経済学」のように、小説の文章と関連させて、過去・や現在の社会の動きを緻密に検討してはいない。
頭が化石化している人が読めば「トンデモ陰謀論」と非難する可能性もありそうだ。もちろん個人的には「トンデモ陰謀論」などとは全く思わない。

とはいえ、やはり『1984年』を『動物農場』のように、きちんと政治学の視点から読み解く、「オーウェル『1984年』の政治経済学」が出版されたら有り難く思う。

ところで、廃刊になった『諸君!』2009年3月号に掲載された記事、
エッ、「日本は『動物農場』」だって?宮崎駿監督、どさくさ紛れの嘘八百はやめてください 山際澄夫(ジャーナリスト)
一体どのような話だったのだろう。立ち読みをするつもりだったのに読み損ね、後悔している。

2010/5/29、下記の記事が一面にあった。いわゆるDPIの導入だ。
これこそ、権力者にとって、全国民の思想・嗜好を把握できる、夢の監視装置「テレスクリーン」だ。
名作『1984年』から30年遅れで、現実がとうとう本当のディストピアになる。 よく似た題名の本よりも、『1984年』こそ読まれるべきでは?

http://www.asahi.com/digital/internet/TKY201005290356.html
「ネット全履歴もとに広告」総務省容認 課題は流出対策

以下、上記記事の一部を引用しよう。
引用はじめ

インターネットでどんなサイトを閲覧したかがすべて記録される。初めて訪れたサイトなのに「あなたにはこんな商品がおすすめ」と宣伝される――。そんなことを可能にする技術の利用に、総務省がゴーサインを出した。ネット接続業者(プロバイダー)側で、情報を丸ごと読み取る技術を広告に使う手法だ。だが、個人の行動記録が丸裸にされて本人の思わぬ形で流出してしまう危険もある。業者は今後、流出を防ぐ指針作りに入る。

中略

情報を突き合わせれば、他人に知られたくない持病やコンプレックスなどが特定される恐れがある。技術的にはメールの盗み読みもでき、憲法が保障する「通信の秘密」の侵害にもつながりかねない。こうした点から、米国と英国では業者による利用が問題化し、いずれも実用化に至っていない。

引用おわり。