ジェームズ・ミッチェナーの「キャラバン」を映画で2006/02/02 23:33

1963年の原作を、1978年に映画化したもの。
英語版DVDでようやく見ました。
Digitally Remasteredと書いてあるが、原版をデジタルで加工したのではなくって、ビデオを、スクリーンか何かに映したものを、デジタルで撮影しなおしたという雰囲気。暗い画面、たとえば夜の場面などは、きわめて見にくい。
とはいえ、ケースの画にあるほど、ぼやけた画面というわけではありません。

アメリカで今売られているこのDVD、subtitleも何も入らない。英語の音声だけ。したがって、英語字幕なしでも平気でない方にはお勧めできません。
異国情緒たっぷりのサウンドトラックだけのおまけはついているのはありがたいのだけれども。なぜか耳に残るメロディー。

あの国の雰囲気の一旦だけでも味わえるようにと考えたのか、ロケはイランで行われています。

原書に近い筋の展開ではメリハリがないと思ったのでしょうか、端折ったというべきでしょうか、筋はかなり変えてあります。
映画をみてから念のため原書を拾い読みしましたが、当然ながら原書のほうが深みがあります。

昨年刊行されたStephen J. MayによるMichenerの伝記には、ヘミングウエーの息子の夫人で、ヘミングウエーの秘書であったバレリー・ヘミングウエーが前書きを書いています。その中で、彼女は、"Caravans"は今こそ読まれるべきだというようなことを述べています。全くそのとおり。こういう本の翻訳はなく、映画も日本語では見られません。

悪貨は良貨を駆逐するということなのでしょう。

映画音楽が耳に残るので、作曲家名を見てみました。 Mike Batt
下記のページに詳しいが、読んで驚きました。
George Orwellの"Keep the Aspidistra Flying"を映画化した"Merry Wars"も作曲しています。世の中狭いのです。

http://www.d1.dion.ne.jp/~hsakagam/Composer081.htm

http://www.asahi-net.or.jp/~ir4n-khr/booke/caravans.html#caravans
より転載